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2018年07月10日

ロバスト農林水産工学「科学技術先導研究会」

2018年7月10日

報告/Report

 北海道大学は7月10日(火),三井住友銀行東館で,第7回ロバスト農林水産工学「科学技術先導研究会」を開催し,民間企業,研究機関,行政機関,本学関係者など,90名近くが出席しました。

 北海道大学は, 2017年5月にロバスト農林水産工学科学技術先導研究会を設立し, 本年4月から6カ年計画で実施する「北海道大学ロバスト農林水産工学国際連携研究教育拠点」をスタートさせました。(本研究会は,2018年7月17日,農林水産省の「知」の集積と活用の場の「ロバスト農林水産工学研究開発プラットフォーム」として認可されました。)ロバストとは「強靭性」のことであり,具体的には,農林水産業が工学などの技術との連携により,気候変動等の環境変化に適応しながら,持続可能な食料生産を行うことを目指しています。これまでの研究会はすべて北海道内で開催してきましたが, 研究会設立から数えて第7回目となる今回, 初めて東京での開催が実現しました。

 本研究会は,本学の名和豊春総長と農業・食品産業技術研究機構理事長の久間和生氏の開会挨拶で始まり,増田隆夫工学研究院長が本拠点構想の趣旨説明を行いました。

 研究会では4名の研究者が研究シーズを発表しました。最初に,本学農学研究院教授の松尾英幸がバレイショの生命力を活用した発芽促進技術について発表しました。次に,本学工学研究院教授の長谷川靖哉が,光波長変換フィルムを用いた温室での食物育成について発表しました。そして,本学水産科学研究院教授の都木靖彰が,北海道におけるチョウザメの陸上養殖技術の開発について発表しました。最後に,帯広畜産大学准教授の瀬尾哲也氏が,アニマルウェルフェア(家畜福祉)をテーマとした研究シーズを発表しました。

 続いて,意見交換が行われました。昨年度より参加している企業から,本研究会で大学の研究者や異業種の企業と出会い,共同研究を立ち上げたという成功例が紹介されました。また,産学連携は国全体の問題で,世界の国々と手を結びならも国内で産学官,あるいは省庁間の連携を徹底的に強化していくことが重要であるとの意見も出されるなど,活発な意見交換が行われました。

 次に,本学副工学研究院長の瀬戸口剛が本研究会の今後の展開について述べました。最後に,本学農学研究院長の横田篤の閉会挨拶により,本研究会は盛会裡に終了しました。

 閉会後の名刺交換会では,研究シーズ発表を行った研究者達に熱心に質問する参加者の姿が多く見られました。

 今回の研究会は,初めての東京開催であったにも関わらず,予想を上回る参加者があり,産学官連携のためのプラットフォーム形成に対する関心の高まりが示されました。本研究会では,生産開発のニーズや課題を抱えた企業や機関と,それらの解決となり得る研究に従事する研究者が出会える貴重な機会を,今後も提供して行きたい所存です。

 

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